2019-06-25 10:00:00
MMORPGは仮想世界でありながら人間社会と同様、他のユーザーと様々なコミュニケーションがとれます。現在のMMORPGではゲーム内で家を建てて友人を招待したり、ギルドを結成してみんなと協力してクエストを進めたり、挙句の果てには結婚制度まであるゲームもあったりします。
ただし多くの不特定多数の人間がプレイしているということでもあるので、人間関係のいざこざも起きたりします。
特にチャット機能で会話することができるのも当たり前になってきましたが、当然悪口や罵詈雑言、放送禁止用語だって打ち込めるので単なるいたずらでそういった行為をするプレイヤーも少なからずいます。
もちろん良識のあるプレイヤーならそんなことはしません、仮にそのような行為を多くやると多くのプレイヤーに不快に思われてマークされます。
もう一つトラブルの種になる要素と言えばアイテムの分配などです。
シナリオの進行や、武器の進化、育成面などで重要なアイテムを入手する時は多くのプレイヤーと公平に分配する必要が出てきますが、このアイテムの分配などで文句や不満を表明するプレイヤーもいたり、陰で悪口を叩いたりする事例だってあります、怖いですね。
またMMORPGを一般的にした『ウルティマオンライン』という作品ではプレイヤー間で戦闘が出来るというシステムが売りでしたが、ある程度強くなったプレイヤーが他のプレイヤーを狙い撃ちして倒すというプレイヤーキラー(Player Killer、通称”PK”)などの問題も発生しました。
ステータスが弱い初期の状態では一部のプレイヤーが特に狙われやすいですが、ゲーム中に過度なプレイヤーキラーをするキャラクタを認識できるシステム(名前の色が変わるなど)や一定の不利益を与えるシステムを実装するという対処も行っているようです。
しかしこうしたプレイヤーキラーも最終的にはプレイヤーの倫理観、良心に委ねてトラブルにならない程度に遊ぶというのが合理的ではありますが、人間は感情で左右されやすい一面もあるので、過度なプレイヤーキラーにイラッと来たプレイヤーが、また別のプレイヤーを狙うという負の連鎖が起きる恐れもあります。
また特定のサーバーに関してのみPK行為を許容するとし、運営は関与を行わないと名言しているタイトルも存在する。ただしこの場合でも人種差別に発展するような極めて重大な案件についてはペナルティが課せられる恐れがあるため注意が必要です。
リアルの世界でもしそのプレイヤーの顔や名前が発覚したら報復とかされて、本当に恐ろしいトラブルになりかねません。不特定多数の人間と遊べることが最大の売りのMMORPGですが、リアルの人間関係まで悪化しかねないのが怖い所です。
◆ゲーム内の通貨量がインフレする?
MMORPGのゲーム世界では通常の世界と同様に武器や防具、その他重要なアイテムを売買できます。
ここで注目すべきはサーバ側で販売量や販売価格を変動させることが可能になるということです。それまでのコンシューマーゲームのRPGでは実現できなかった在庫と言う概念も登場して、より複雑な経済システムが構築されています。
またプレイヤーが生産、入手したレアなアイテムも売りに出すことができるバザーシステムが導入されていますが、当然レアなアイテムほど価格は高額になります。
多くのプレイヤーが望むアイテムはそれほど需要が高くなりますが、需要が高くなるほど値段は高くなります、この辺りはリアルの経済世界と同様です。
これがエスカレートすると現実世界の現金などと交換するというリアルマネートレーディング(RMT)にまで発展することがあります。所詮はゲーム世界の仮想のデータに過ぎないのですが、やり込みプレイヤーからしたら非常に価値の高いアイテムとなるわけです、もちろん規約で禁止されているので絶対マネしないように!
このRMT行為が増える原因の一つに、貨幣のインフレも関係しています。MMORPGの世界では中央銀行のようなものが存在しないことが多く、サービス開始から年月が経過するごとにインフレが進行します。
中央銀行がないということはゲーム内で流通する通貨量を制限するシステムが存在しないということなので、増加の一途を辿るだけです。流通する貨幣の量が増えると、お金の価値は相対的に下がるので、例えば新規に参入してきたプレイヤーが金銭を稼いで目的のアイテムを購入する行為の難易度も上昇してしまいます。
もちろん実際にお金を払ってアイテムを買うという真似をするユーザはほとんどいないと思いますが、例えば課金アイテムを買いまくったり、課金する金額を増やして少しでも古参プレイヤーとの差を縮めようとしますが、実質的にはほぼRMTに近いという見方も取れます。